地質学的基盤

グランドキャニオンは、大きな大陸の近くに位置していた太古の海底が基盤となって誕生しました。この一帯の地形は何百万年にもわたり、熱、浸食および隆起によって変化し、現在では中央アリゾナからユタ州のロッキー山脈まで広がるコロラド高原地域を含んでいます。この高原はフォー・コーナーズと呼ばれる地域の約130,000平方マイル (約33万6,700平方km) を占めます。これはフィンランド、イタリア、ポーランドまたは日本と同等の面積です。岩層、分岐峡谷および地質断層によって、コロラド高原の歴史の積み重ねとグランドキャニオン内のコロラド川の浸食作用を知ることができます。

一般的に、グランドキャニオンは地層は新しいものの、そこに含まれている岩は極めて古いと言われています。グランドキャニオンの形成については、いくつかの説が提起されてきました。一つ目は、高原が隆起する前に川がすでに存在し、高原が上昇するにつれて川が高原を切り裂いていったというものです。この説は、1869年に峡谷の底を探検した有名なコロラド川探検隊リーダーである、ジョン・ウェズリー・パウエル少佐により唱えられました。二つ目は、高原の隆起中または隆起後の浸食により、川の流路が形成されていったという説で、一部の人により信じられています。 最後の説は、活発な川の下刻作用が隆起期間により中断され、その結果浸食につながったというものです。 グランドキャニオンの地質記録には岩層が大きく欠落している部分があるため、地層間の時系列の判定は困難です。ペインテッド砂漠の西に位置するグランドキャニオンは、いくつかの有名な高原、シブウィッツ、カナブ、カイバブ、パリア、ココニノおよびマーブル・プラットフォームに囲まれています。グランド・ウォッシュ・クリフやエコー・クリフの一部も含み、また近くにはアリゾナ州のブラック山脈やワラパイ山脈もあります。

グランドキャニオン生態系へのコロラド川の影響

コロラド川は、峡谷内部で2,200フィート (670 m) 超、1リバーマイルあたりでは平均8フィート (2.4 m) 降下しています。このとてつもない標高差は、世界一高い1,815フィート (553 m) の独立塔よりも大きいだけでなく、合計の垂直降下という点ではミシシッピ川の下流と比べて25倍になります。

70を超える数の主な急流が存在しますが、これらの強い力によりシルト頁岩、砂岩、礫岩、石灰岩、白雲岩、火成岩、変成岩などグランドキャニオンのさまざまな岩層が深く削り取られました。グランドキャニオン内では、合計94種類の岩が実際に発見されています。時の経過とともに、川はこの一帯を浸食して谷を刻んでいき、多くの地域で谷の深さは1マイル (1.6 km) 以上に達しました。川の下刻作用はグランドキャニオンの壁の側方浸食よりも10倍遅かったにもかかわらず、岩層は同時に凍結と解凍のサイクルからさまざまな影響を受け、岩の種類の変化と断絶が起こりました。コロラド川の影響により、最も離れた地点の幅が10マイルから18マイル (16 kmから29 km) に及ぶ大峡谷が生まれました。

豆知識

グランドキャニオン内にある岩層は17億年から2億4,500万年前までの地質年代を網羅しており、最も古いものは先カンブリア時代に形成されています。ビシュヌ片岩は、グランドキャニオンで最も古く深い地層を形成しており、火成岩およびゾロアスター花崗岩が露出しています。

チンリ層とメナブ層には石化林、大型・小型恐竜、肺魚およびワニ類を含む中生代の化石 (2億4,500万 ~ 6,600万年前) が豊富に含まれます。

300万 ~ 1,000万年前、コロラド川下流が注ぎ込むカリフォルニア湾が形成されました。

ペルム紀 (2億8,600万 ~ 2億4,500万年前) からの爬虫類の痕跡がココニノ砂岩層に残されており、ウミユリの茎として知られるウミユリの化石がレッドウォール石灰層で見つかっています。

内側に仕切りのある大きな貝殻を持ち、現在のイカやタコの仲間であるオウムガイは、ノーティロイド・キャニオンの谷底 (リバーマイル34.8) に埋まった状態で発見されました。

「ヴァルカンの金床」 (リバーマイル178) は、コロラド川内にある岩栓です。これは、川の北側に位置しラバ滝を見渡す「ヴァルカンの王座」に近接しています。100万年足らず前にグランドキャニオンに溶岩を注いだこの噴石丘は、グランドキャニオン内で発見された多くの噴石丘の中でも最大です。

マーブル・キャニオンには大理石は含まれませんが、滑らかな石灰層とハーミット頁岩層から成る印象的な岩壁により、この名前が付けられています。ミシシッピ紀 (3億6,000万 ~ 3億3,000万年前) とされる石灰層の中の化石には珊瑚、海綿動物、ウミユリや鰓脚類を含み、浅い海底の存在を表しています。